骨粗しょう症薬 使用で留意 副作用であごの骨壊死
歯科医定期受診で予防
・骨粗しょう症や癌の骨転移の治療に使う「ビスホスホネート製剤」という薬の副作用によって、あごの骨が壊死する患者が増えています。発症は稀ですが、効き目の高い薬のため服用する人は多くいます。顎骨の壊死に抜本的な治療法はなく、虫歯や歯周病の治療などの予防が重要になります。
・顎骨壊死は下あごや上あごの骨が細菌に感染して腐ってしまう病気です。
・骨は通常、古い骨を分解・吸収する「破骨細胞」と、新しい骨を作る「骨芽細胞」の働きのバランスによって代謝が保たれています。
・副作用としての顎骨の壊死の発症は、2006~2008年に計263例が報告されたのに対し、2011~2013年は計4797例と急増。
・医師と歯科医師との連携で、先に対策が進んだ米国では発症が減少傾向に。
・ビスホスホネート製剤の服用前に歯科の受診を。
・顎骨壊死がすでに起きている人の場合、発見が早くなるほど治療の可能性が高まります。
(2017年7月3日 日本経済新聞記事から抜粋引用)
「高濃度乳房」知って 検診で乳がん見逃すリスク
厚労省、通知体制を整備
・厚生労働省は、乳がん検診でがんが写りにくい「高濃度乳房」の女性への通知体制を整備します。現在は国の規定がなく、診断結果を「異状なし」とだけ通知している自治体が多いのです。同省は癌を見落とすリスクや別の検査の案内などを記した通知を出すよう自治体に促します。
・高濃度乳房はマンモグラフィーでは癌が判別しにくくなります。画像では白く写ります。がんも白く写るため異常が見落とされやすくなります。
・40歳以上の女性の約4割が該当します。
・厚労省は通知のひな型を作る方針。「マンモグラフィーですべてのがんが見つかるわけではない」といった説明や超音波検査の案内などを盛り込み、今年度にも示します。
(2017年7月4日 日本経済新聞記事から抜粋引用)
「ぬるめ」お風呂 体内涼しく 「深部体温」下げて快眠
血液循環促し放熱/さらさら肌で汗乾かす
・心地よい睡眠を得るには、入眠前に体の内部の温度をうまく下げる工夫が重要です。睡眠とは、「日中にフル活動した脳の温度を下げて休ませて、脳や筋肉の組織の疲労を回復すること」。
・人の体は眠る用意ができると、手足の先に血液を多く送って手足から熱を逃がします。そうすることで体の内部の温度が、続いて脳の温度が下がっていきます。
・日中活動時の身体の中心温度(深部体温)は36~37.5度ですが、眠るときは36.5度以下に下がります。
・夏ならではの寝苦しさを解消するには、体の熱をうまく逃がす工夫が必要です。
・ランニングや筋トレなど交感神経を高める運動は、寝る3時間前には済ませておきます。
・消化にエネルギーを使う飲食も、寝る直前は控えましょう。
・夏の時期は38.5~39度のぬるめのお風呂にゆったり入ると良いです。
・入浴で皮膚を清潔にするのも快眠に有効です。清潔な肌の表面に風が吹くと汗が一気に蒸発し、気化熱で体温が下がります。脂ぎった肌だと玉のような汗が垂れて、体温調節の効率が悪くなります。
・汗の吸収が良く速乾性の高い素材のパジャマや寝具を使いましょう。
・夏の睡眠時も「頭寒足熱」考え方が有効です。足元は冷やしすぎず、掛け物をしっかり掛けると、皮膚や体の末端からの放熱をスムーズにしてくれます。
・睡眠にとって望ましい室内の環境は、温度が26~29度、湿度は50%以下が目安。
・高気密・高断熱の住宅の室温は、外気温から6時間ほど遅れて午後8時ごろがピーク。
・夜に帰宅したら、まず窓を開け放ち、日中に温まった床や天井、壁を冷やしてから、エアコンのスイッチを入れます。
(2017年7月8日 日本経済新聞記事から抜粋引用)
喫煙率18% 2年連続減少 今年、JT調べ
・日本たばこ産業(JT)は、たばこを吸う成人の割合が前年を1.1ポイント下回る18.2%だったと発表。2年連続で減少。男性は1.5ポイント下回る28.2%、女性は0.7ポイント下落の9.0%。
(2017年7月26日 日本経済新聞記事から抜粋引用)
水中歩行 無理なく鍛える
腰や膝痛み軽減/つまずき・転倒を予防
・水中運動には、水の特長を生かした3つのメリット。
「浮力」・・・プールの水に胸までつかった状態では、浮力で体重が10分の1程度に。筋肉や関節への負担が軽くなり、腰や膝の痛みも軽減。背中やお尻、太ももの裏側など普段よく使う筋肉を緩める作用が大きく、リラックス効果も。日ごろ鍛えにくいインナーマッスル(深層筋)を使った動きができるという利点もあります。
「水圧」・・・水中では常に圧力がかかるため、心臓に血液を戻す静脈のポンプ作用がサポートされます。1回の拍動で送り出す血液の量が増え、心拍数や血圧も下がることで、心臓への負担が軽くなります。血流が良くなるので、むくみの解消や老廃物の除去にも効果的。
「抵抗」・・・同じ動作で単純に比較すると、陸上よりも水中の方が800倍の抵抗を受けます。水の抵抗は動作の速度を上げるほど大きくなり、運動強度が増します。
・まずはウォーキングから。背筋を伸ばし、つま先を上に向けて体重を移動し、しっかりと踏み込んでから、後ろ足のつま先でプールの底を蹴るようにして体を前に押し出します。
日ごろあまり使わない前脛骨筋が鍛えられます。前脛骨筋は脛にある、足首の関節を引き上げる筋肉で、衰えるとつま先が上がりにくくなります。つまずきや転倒を予防。
・腰痛がある人は、腰への負担が少ない後ろ歩きがおすすめ。進行方向に背中を向けて背筋を伸ばし、片足をまっすぐ後ろに引きます。引いた足の上にしっかりと重心を移動してから、前に残した足のつま先を上げます。足を後ろに引く時は、腰が「くの字」にならないように注意。
・基本の歩き方に慣れたら、膝を直角に上げて歩いてみましょう。ももを引き上げる時に使う、インナーマッスルの大腰筋が鍛えられます。運動不足で大腰筋が弱まっていると、上体が前に傾きがちなので注意しましょう。
・プールに入る前後にはストレッチ体操を。入水から2分程度は体が水に慣れるのを待ち、首や手首の内側で脈拍を測ります。10秒間の脈を数えて6倍すれば1分間の脈拍になります。水中では脈拍が低く出ます。1分間に120~150拍を超えないよう気を付けます。こまめな水分補給も忘れずに。25mを約60秒で歩くペースから始めて、体調などに合わせて負荷を調整します。
(2017年7月15日 日本経済新聞記事から抜粋引用)
「笑顔でゆっくり」長続き 疲れないジョギングって?
膝など痛めにくく/メタボ改善効果も
・スロージョギング:歩く程度のゆっくりした速度で走るジョギング法。笑顔を保ちながらゆっくり走る、疲れにくいのに脂肪が減ります。楽に走るのが目標。
・走る速度が上がると、エネルギー源として糖を多く消費し、エネルギーを生み出した後に乳酸が発生します。乳酸がたまらないギリギリの速度でゆっくり走ると、疲労を感じることなく続けることができ、エネルギー源として脂肪を積極的に消費します。
・地面からの衝撃を減らして楽に走るため、かかとではなく足指の付け根近くで着地。ゆっくり走るには、歩幅を小さく、足を小刻みに動かすのがコツ。ピッチは15秒間あたり45歩が目安。
・足を地面に着けた時の反発力で前に進むイメージ。腕の振りや呼吸は自然のままで構いません。顎を少し上げて視線を遠方に向けると、姿勢が良くなり、呼吸もしやすくなります。背筋が伸びると、足も引き上げやすくなります。
・心臓病患者のリハビリテーションや、変形性膝関節症の予防目的でも利用されています。
(2017年7月22日 日本経済新聞記事から抜粋引用)
健康寿命 2年の違い 厚労省調査 死亡リスクも軽減
禁煙や睡眠・・・生活習慣改善で
・健康的な生活習慣の人とそうではない人で、自立した生活が送れる「健康寿命」に最大で約2年の違いがあることが分かりました。65歳以上の人を9年間にわたり追跡調査。
・「健康的な生活習慣」として ①タバコを吸わないか禁煙して5年以上 ②1日に平均30分以上歩く ③平均睡眠時間が6~8時間 ④野菜を多めにとる ⑤果物を多めにとるーの5項目を検討。
・該当するのが0~1項目だった人は「身体機能の低下なし」が62.5%だったのに対し、5項目すべて該当する人は87.2%でした。
・5項目該当する人は0~1項目の人と比べて、死亡したり要介護認定になったりするリスクが半分程度ということが分かりました。
・健康寿命について0~1項目の人との差は、2項目で11.5か月、3項目で17.4か月、4項目で23.9か月、5項目で25.4か月という結果が得られました。
(2017年7月24日 日本経済新聞記事から抜粋引用)
イラッ、ゆっくり呼吸を その怒りが不調のもとに
最初のピーク6秒乗り切る
「競争的で怒りやすく、攻撃的で、過剰に活発な人」はそうでない人よりも自律神経のうち交感神経が活性化していて、心筋梗塞や狭心症などの心臓病にかかりやすいようです。
・日常生活で起きるイライラや怒りの衝動をうまくコントロールすることが重要です。最も簡単な方法は呼吸法です。イラッとしたら、ゆっくりと深く呼吸するだけで交感神経の働きが静まります。呼吸で気持ちが落ち着いたら、1つの行為に集中することで高まる気持ちを鎮めます。
・アンガーマネジメントという心理トレーニングは、イライラと向き合うために「衝動」「思考」「行動」の3つに着目。
・「衝動のコントロール」・・・怒りのピークが持続する6秒間をうまくやり過ごします。怒りとは別の行動に集中することで冷静さを取り戻します。
・「思考のコントロール」・・・イライラが起きる背後には、自分と他人の価値観の隔たりがあります。自分が考える「こうあるべき」の範囲を広げるようにして、イライラが起きるきっかけを減らします。
・「行動のコントロール」・・・ストレスの種を「自分にとって重要か」、「自分で変えられるか」の2つの観点で分析して、4つに仕分けします。
・イライラや怒りがなかなか治まらない場合は要注意。うつ病、不安症など病気の症状としてイライラが表れることもあります。
(2017年7月29日 日本経済新聞記事から抜粋引用)